第11回
吉川英治文庫賞
受賞作
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石田衣良 「池袋ウエストゲートパーク」シリーズ (文春文庫)
対象期間内の文庫新刊
『神の呪われた子 池袋ウエストゲートパークXIX』対象は2024年12月から2025年11月に、シリーズの5巻目以降が一次文庫で刊行された小説のシリーズ作品。

石田衣良さん
1960年、東京都生まれ。成蹊大学経済学部卒業。広告制作会社勤務を経て、フリーランスのコピーライターに。1997年「池袋ウエストゲートパーク」で第36回オール読物推理小説新人賞を受賞し、続篇3篇を加えた『池袋ウエストゲートパーク』でデビュー。以降、シリーズ化。宮藤官九郎脚本、長瀬智也主演で、TBS系にて連続ドラマ化され大きな話題となる。2003年『4TEENフォーティーン』で第129回直木賞、2006年『眠れぬ真珠』で第13回島清恋愛文学賞、2013年『北斗 ある殺人者の回心』で第8回中央公論文芸賞を受賞。
受賞のことば石田衣良
八度目の正直
吉川英治文庫賞の候補にあげられること実に八回。どうせ今年もないだろうと、選考会の当日は手ぶらで近所のスーパーにパンと牛乳を買いにいっていました。帰宅するとなぜか何度もスマートフォンに着信が……おや、おかしいな。あわてて折り返しをかけると、なぜか逢坂剛さんから「衣良ちゃん、文庫賞おめでとう」の第一声。キツネにつままれたとはこういうことか。いや逢坂さんだからタヌキかな。よくわからないけれど、ひとまずめでたいという心境にいきなりなりました。
文庫は文芸出版の大黒柱ですが、なぜか文学賞はこの分野に冷たく、吉川文庫賞がほぼ唯一の賞です。文庫を主戦場にしている多くの作家からしたら垂涎の賞なのです。それをデビュー以来書き継いだ『池袋ウエストゲートパーク』のシリーズでいただけたことは、作家としてひとつの円環が閉じたような感慨があります。長くやっていると、いいこともあるものですね。三十年近くにわたり、新作を楽しみにしてくれるファンの皆さん、それに文芸春秋の歴代編集者と営業部の方々、どうもありがとうございました。
つぎの一冊もマンネリに磨きをかけて、のんびりがんばります。
第11回吉川英治文庫賞最終候補作
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石田衣良 「池袋ウエストゲートパーク」シリーズ (文春文庫)
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井原忠政 「三河雑兵心得」シリーズ (双葉文庫)
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岩井圭也 「横浜ネイバーズ」シリーズ (ハルキ文庫)
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澤村伊智 「比嘉姉妹」シリーズ (角川ホラー文庫)
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知念実希人 「天久鷹央」シリーズ (実業之日本社文庫)
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堂場瞬一 「警視庁総合支援課」シリーズ (講談社文庫)
以上、6作品です。
2026年1月30日
公益財団法人吉川英治国民文化振興会
吉川英治文庫賞事務局





